途中のはなし








僅かに開いたドアから、ぷーんと漂ってくるピンクな空気にボクは思わずため息を吐いた。
そして、じとりと件のドアを睨む。
本当は部屋の中に用があったのだけれども。
ボクは先程からこうしてドアの横につっ立ったままだ。
だが絶対に入るわけにはいかない。っていうか、入れない。
だってせっかく二人が仲良ーくしている所を邪魔するわけにはいかないから。
そう、せっかくキスの真っ最中だってのに。
それをぶち壊すのは弟として。いや、人としてはどうかと思うし。




実の所、こんな風に二人がよろしくやってる所を目撃したのは初めてじゃない。
何度かある。そのたびにボクは見て見ぬふりをしているのだ。
二人は気付いてはいないだろうけど。
でも、それにボクは慣れることはない。目にするたびにボクはドキドキしてしまう。
今もそうだ。なんてゆうか、動揺してる。そして同時に居たたまれなくなる。
身内のそういう光景なんて見たくないってのと、あと単純に恥ずかしいって感情からだ。



そう、キスは恥ずかしい。
やる分にもそうだけど、でもボクはこうやって見ちゃうのが一番恥ずかしいと思う。
特に、生で。もちろん映画や小説の中だって十分に恥ずかしいけれど。
目の前で見ちゃうのに比べたら全然平気だ。
しかも身内が。しかも両方とも顔を真っ赤にして。
んで慣れてませんって分かる様子でキス、なんて。
そんなの、こっちが逆に恥ずかしいじゃないか。
うぅ、ホントに恥ずかしい。恥ずかしすぎるんだよ!
あー、もう。




本音を言えば、いい加減キスくらい慣れろと言ってやりたい。
くっついてから結構経つんだから。でもそれを直接口にすることは出来なかった。
だって、見ちゃったのがバレちゃうし。そうなったら怒られる。
でも、ボクは別に悪くないと思う。寧ろ、被害者だ。
人目につきそうな場所でそういうことをするのが悪いのではないか。
特に今回の場合。
ちゃんと扉が閉まってるのを確認しなかった二人の責任だと思うんだけど。
ま、どっちみち言わないから関係ないんだけどさ。



はあ、とボクはまたため息を吐いた。吐きたい気分だった。
いつまでここに立ってればいいんだろうか。そう思って、ボクは恐る恐る中の様子を伺う。
しかし期待するような変化はなんら見られない。
ばっちりピンクな雰囲気がプンプンだ。ボクは本日三回目のため息を吐く。
ただ、居たたまれなかった。まだしばらく中には入れそうにない。





あぁやっぱり、キスを見るのは苦手だ。
























拍手ログアル視点。未来パロ。
ウチのアルはどうも腹黒くなりきれなくて、苦労性になってしまう。
管理人的には腹黒最強アルフォンス様が一番好きなのに(ギリっ)(歯軋り)


エド視点、ウィンリィ視点ありますー。