|
後のはなし
頬に触れられていた手が離れて。
暖かなものの喪失に少しがっかりしたのは悔しいことに気のせいじゃない。
目の前のヤツの手は、ひどく暖かくて、優しかったから。
だけど頬は冷たさを感じることはなかった。なんのことはない。
直前までの行為の所為で、あたしの顔は真っ赤になって、熱いとさえ感じていたからだ。
そう、唇に残るやわらかな感触。
惚れている男にキスされたというその事実は、あたしの意志に関係なく心を乱す。
やっぱり、どうしても慣れなかった。
これが初めてってわけじゃない。
人よりは少ないかもしれないけど、幾度かこうして唇を重ねてきた。
だけどその度にあたしはこうやって顔を赤くしてしまう。
手を繋ぐのは、平気なのに。
抱きついてやることだって、出来るのに。
それ以上は……ま、まだ経験無いけど。
だけど大抵のことには慣れた。
でも、キスだけは。これだけはどうやったってムリだ。
もちろん嫌とかじゃなくて、嬉しかったり幸せだったりするんだけど。
でもやっぱ慣れない、というより恥ずかしい。
特にこうやって、キスした直後の時間があたしはダメだった。
やる前や最中だってそりゃあ十分恥ずかしいけど。相手にまかせたらいいから。
だけどその後。つまり今この瞬間。
あたしは恥ずかしくて恥ずかしくてどうしようもなくなる。
コイツが、あたしに、キスしたっていうことも。
あたしが、おとなしく、それを甘受したって事実も。
全部が恥ずかしい。照れ臭い。
だけどそれ以上に恥ずかしいのは、こうして顔を真っ赤にしている自分自身。
それを一番、見られたくないヤツに見られていることだ。
ああ、もうホント恥ずかしい。っていうか、悔しい。
なんかこれじゃまるであたしがコイツにメロメロみたいじゃない。
でもそれはなまじ嘘じゃないから余計に困る。
うぅ、もうホント何なのよ!
はぁ、とため息。そして見るな、見ているなと願うように。
恐る恐る顔を上げる。と、目が合った。
その顔は、こっちに負けないくらい赤い。
あたしは、なんだか余計に恥ずかしくなって慌てて視線を逸らしてしまった。
キスの後はやっぱり苦手だ。
拍手ログウィンリィ視点。またしても未来パロ。
新幹線の中で書きました。書いてて恥ずかしかったです(遠い目)
豆と比べたら遥かに乙女じゃない彼女が大好きです。
だってしょうがないよね。エドは妖精だもん。コロポックルだもん!(身内談)(まてや)
エド視点とアル視点ありますー。
|