雨上がり 君のとなりで






今日の分のご飯の材料を買いに来たスーパーを出る。
と、ずっと長いこと降りっばなしだった雨がいつのまにか止んでいた。
久しぶりに仰いだ空はいつもよりずっとずっと綺麗で、それになんだか近くに感じる。
うわぁ晴れてる!と思わず感嘆の声を洩らしてしまった。



「晴れてる……」



すると斜め後ろから、石田くんの声であたしとおんなじような感想が聞こえてきた。
なのでついつい反射的に返事をする。



「晴れちゃってるねぇ」

「晴れ、てるね……」

「いい、お天気だねぇ」

「………うん……」



二人並んで空を見る。真っ白な雲がぷかんと浮かんだそこはとても泣きだしそうもない。
せっかく傘持っってきてるのに、無駄になっちゃった。
だけどやっぱりお天気って悪いよりいい方がいい。
お日様の光ってぽかぽかしていて気持ちがいいし。
それにお洗濯物だってよく乾くし、あ、あとお布団だってふかふかになるし!
わぁ、やっぱり晴れてるのって素敵だよ。


それに。雨上がりの道ってあたしは好き。
きらきらと輝いて見えるから。世界が新しく生まれ変わるみたいな心地がする。



「いいお天気……」



なんだか嬉しなって、もう一度呟く。
うん、ともいっかい同じく答える声が聞こえた。それがまた嬉しい。
同じ光景を、同じ場所で、同じ気持ちで、一緒に。
見てくれている人が居ることはとても、とても素敵なことだから。





あのね?あたし本当に、嬉しいんだ。
いつも石田くんが傍にいてくれて。助けてくれて。
こうして、一緒に空を見てくれていて。
一杯、いーっぱいありがとうって言ったって足りないくらいなんだよ?
あの頃。あたしの気持ちも何もかも知ってて、それでも支えてくれた貴方の存在。
それがあたしにとってどれだけ救いだったかなんて、もうわかんないくらいなんだよ?
本当、だよ?
今だって、これからだってずっと、ずーっと。



そっと、横に立つ彼を見る。と、目が合った。
だから色んな気持ちを込めて、にっこりと笑顔。
すると石田くんは何故か慌ててそっぽを向いてしまう。

あれ?

どうかしたのと聞くと、別になんでもないって言われた。
なんでもないのなら別にいいんだけど………。
なんだろうと思いつつ、もっかい空を見る。
……あ、あれって!



「石田くん、石田くん!」



服の裾を引っ張りながら、急いで彼を呼んだ。



「うわっ!な、な何井上さんっ!?」

「ほら、あそこ!」

「あそこ?……あっ」



見上げた空。そこには七色の橋が架かっていた。
それはとっても綺麗で、素敵で、嬉しい光景。大切な人と一緒に見るなら、尚更。
しばらくそれを並んで見つめる。幸せな気持ちが溢れてくる。
すると、ナイスなアイディアがぴんとあたしの頭に浮かんできた。
うわぁこれホント、ナイスだよと自分で自分を褒めたいくらいに素敵な思いつき。



「ね、石田くん?」



ついっと彼の前に躍り出る。



「お散歩しながら、帰ろうよ!」



こんなに素敵な日なんだから、このままお家に帰っちゃうなんてもったいないよね!
ほらほら、とあたしは旦那さんの手を取って、ずんずんぐんぐん家とは逆方向に歩きだす。



「え、ちょ……い、井上さんッ!?」



道に出来た水溜まりをえいやっと飛び越えて、あたしは大きく大きく深呼吸。
爽やかな空気を沢山吸って、また空を仰ぐ。
青い空はやっぱりとても綺麗で、素敵だった。























拍手ログ。 雨織大好きです。ホントに大好きです。
どのくらい好きかっていうと、ウチのパソコンが「あめおり」を一発で「雨織」と変換してくれるくらい(微妙)
しかしこんな未来くるわけねーじゃねーかっ!ってことは百も承知。
………くっ夢くらいみてもいいじゃないのさっ!(泣)